672179 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

8.社会的弱者の矜持?

負け犬の遠吠え 『社会的弱者の矜持?』

 生きていく中で「勝つこと」と云うのは如何いうことなのだろうか?
 弱肉強食は生物の常で、少なくとも我々のご先祖様は、他人を打ち殺し喰い物を奪って生きてきた訳である。
 多分、我々の遺伝子には、「勝つことは正しい」と云う考え方がインプットされているのだろう。
 だから、米国の「正義とは勝つこと」なんて非常に単純な考え方に魅力を感じてしまう。
 だから、大陸から逃げてきた最も弱い民族が肩を寄せ合って暮らしている極東の島国「格差是正!ミンナで仲良く」なって考え方は「糞のようなもの」と鼻で笑ってしまう。

 「努力した者」や「能力ある者」が、「何もしなかった者」や「何も出来ない者」と同じ扱いをされることが、本当に平等なんだろうか?
 民間企業はオロカ、公務員までが年功序列を廃し、能力本位の人事査定を行おうとしている。
 「結果平等」なんて悪弊を排し、「機会平等」だけを徹底することで、個人にイノベーションを与え、個々の人間の能力を高めなければ「資源のない島国日本の将来は暗い」ってミンナ判ってることじゃないのか?
 
 それが「格差是正」である。
 少なくとも旧来から日本にあった「飛び出た釘は打たれるが、飛び出過ぎた釘までは打たれない」なんて美徳が、「ライブドア」事件のように敵意を持って粉々にされてしまう。
 

 新聞記事だが、「中国残留孤児」が日本国への帰国後に政府が充分な対応をしなかったなんて訳わかんない事言って「一人三千万円の損害賠償を求める裁判」が起こされ、東京地裁で敗訴したらしい。
 民衆迎合主義の新聞各社は競って「日本国政府の誠意のなさ」を強調する。

 でも、何でそんな『方々』に、今の税金からそんな大金払ってやんなきゃならないんだ?
 「日本国への帰国後に日本語が満足に話せないので就職も出来ず、大半が生活保護を受けて貧しい生活をしている」なんて「お涙頂戴」の話が新聞紙上を踊っている。

 そんな事なんて帰国するときから判ってたことだろう!
 「悪鬼」の子供を隠れて育てていると周りに知られたら自分が殺されるなんて状況で、自分の喰う物さえ満足に無い中、一所懸命に育ててくれた中国人の「育て親」を見捨て、豊かな日本国に憧れて勝手に戻ってきた『方々』じゃないか!
 税金すら満足に払ったことのない『方々』が公的扶助を受けているだけでも充分に過ぎる恩恵だ。
 
 今更ゴタゴタ言えた義理か?
 「目先に惑わされて親を見捨てる奴なんて碌なもんじゃない」ってことがハッキリしただけのこと。
 
 ホントに似非弱者屁理屈には反吐がでる!
 何故、考えも無く、努力もしないで弱者なんて主張して甘えるんだろう?


 馬鹿な日本人観光客が相場の500倍の金を払うんで、ミンナ日本語が話せる。
 中華人民共和国トルファンの馬車業者の話である。
 トルファンの駅を降りた途端に日本語が飛び交い馬車を引いた群衆に囲まれる。
 満足な教育も受けられない中で、少しずつ少しずつ日本人観光客から日本語を覚えていく奴等。
 「国が守ってくれない。国が満足な対応をしてくれない。」なんて間抜けなことは誰も言わない。
 金が欲しけりゃ馬鹿な日本人を騙すだけのこと。
 だから奴等は必死に日本語だけを覚える。
 褒められた話じゃないが、奴等の逞しさには一種の感動すら覚える。

 怒鳴って追い散らすのにどれ程苦労したことか!
 感動はしても、私はそんな金なんて絶対に払わない。
 
 重慶の街で満員になっても、未だ客の引き込みをしてモタモタしている小型バスの車内で「早く出発しろ!」と怒鳴った時のこと。
 「お前は、日本人だろう?日本人なのに何故怒るんだ?」
 不思議そうな中国人運転手の言葉が忘れられない。

 「その値段は高い。お前らの街の人間がそんな金を払えるのか!」
 カシュガルの街で気に入った民族楽器のミニチュアを見つけ、店主と価格交渉をした。
 「我々は、この金額では買えない。でも日本人のお前ココの値段で売る心算はない。」
 1時間近く粘っていると呆れたのか、店主が語調を変えて話し出した。
 結局、最初に提示された金額が100米ドル、それが8米ドルになったので購入した。
 一応、現地価格の5倍程度で購入したことになっている。
 本当の値段は知らないが・・・。

 同じくカシュガルの街でのこと。
 中華人民共和国の西の果てカシュガルでは英語と中国語(一応北京語?)がチャンポンになる。
 この地で漢字は使えない。
 「何処から来た?」
 「Shang Gang(香港)!」
 屋台のオバサンは、売付けようとしたスカーフをイキナリ引っ込めてしまった。

 中東のヨルダン王国首都アンマンからペトラ遺跡へ行くために、タクシーで乗り合った年少の香港女性は、挨拶よりも先に運転手に払った金を聞いてきた。
 香港人は絶対に無駄な金を使わない。
 世界共通の認識である。

 発展途上国を独りで旅していると必ず日本語を話す現地人が近づいてくる。
 そして日本人は世界中で騙されていることを知る。
 何処の国も、そんな日本人に感謝なんかしない。
 ただ馬鹿にする。鴨にする。
 脅せば、騙せば、簡単に大金を払う民族だと世界中から笑われている。 
 ロシア対日外交が正しくその延長線上にある。

 先進国など一部の国を除いて、世界は殆んどが貧しい国である。
 ビンボな国では、ミンナ生きていくのに精一杯だ。
 そんな国では誰も弱者なんて云って政府を充てになんかしない。
 弱い者は即、死に結びつく非常に明快な掟が待っている。

 だから、ミンナ必死に考え、努力して生きているんだ。

 戦後の高度成長で日本国は有史以来の繁栄を享受している。
 日本国のNPO「似非いんてりげんちゃん」など、生きることの難しさなんて全く考えちゃいない。
 そして、寄付行政からの補助金など『他人の金』を充てにして「弱者救済」に忙しいようだ。
 そんな馬鹿共から弱者として祭り上げられた奴等は、『当然の権利』だと勘違いして平然とお金を受け取っているなんて非常に不愉快な状況にある。

 経済と違って、日本民族の精神は全く成長なんかしていない。
 テメエ等が受け取っている金なんて、ミンナの『哀れみの金』なんだよ!
 弱者と云われ人から『哀れみの金』を受け取って満足なのか?
 恥ずかしくないか?
 何で弱者なら弱者として世間の隅っこで生きていけないんだ?

 現在の日本国は、働いても生きていけない貧困層が拡大していると云う。
 私がガキの頃、今から30年前からズット我が家はビンボである。
 間総収入15万円程で、男のガキ3人と両親、祖母の6人が生活していた。
 その総収入のまま、私と一番下の弟は、下宿しながら私立の大学を卒業した。
 アルバイトもせずに。
 授業料免除や奨学金など活用できる制度は全部使ったが、一人下宿させるには、下宿代に食費など生活費を入れると、最低でも1ヶ月10万円はかかる。
 そうすると残りの5人月に5万円で生活していた計算になる。
 母の偉大さを感ぜざるを得ない。

 私の大学卒業間際に祖母と母を相次いで失った時、近所の生活保護の窓口を担当している人が漏らしたことがある。
 「あんたトコが、何時、生活保護願を出しに来るのかとズット待っていた。」
 「『所得と子供の大学入学を考えれば、絶対に生活できる筈がない!』とミンナで話し合っていたものだ。」
 「それが全く現れないし、『如何やって生活してるんだ?』って皆が不思議がっていた。」

 我が家は公的扶助を受けたことはない。
 だが、公的扶助を受けている人よりもビンボな生活をしていたようである。
 それでも、不思議に生活が悲惨だったと云う記憶はない。
 我が家がビンボなのは自覚していたが、何時でも微笑っていた母や父を見て育ったので、『どの家庭も似たり寄ったりなのだろう』くらいに思っていたのだ。
 ガキの頃なんて子供3人で大食いを競っていたし、靴が破けたまま平気で履いていると母から叱られた。
 ただ、偶に、「父ちゃん!お金なくなった!」って空になった財布を見せながら母が無邪気に言い放っては、父が慌てて預金を取り崩しに行ったことはハッキリと覚えている。
 酒も飲めず、タバコも吸えず、ただ、会社と自宅を往復する生活でもニコニコしていた父と母が爪に火を灯す思いで貯めた貯金を・・・。

 だから私は、ビンボは何も怖くないことを知っているし、恥ずかしいとも思っちゃいない。
 そして、どんな状況になっても『お上や他人の情け』なんて受けようとは思わない。
 ビンボだが、今で云う社会的弱者だったのだろうが、両親から受け継いだ『ビンボ人の矜持』がある。
 絶対に人の世話になんかなってやるもんか!

 数年に渡り、「うつ」で職場に行ったり休んだりしたので、組織に私の未来はない。
 だから誰の助けも受けずに社会の隅っこで生きていこうと思っている。
 一応、自分なりにはソレナリに考え、努力してきたんじゃないかなと思っている。
 白内障を患い、オイルショック後の不況から収益が一向に回復しない会社で、人員整理を恐れながら定年まで必死に勤めた父を見て、職業は公務員を選らんだし・・・。
 今では『大きな間違いだった』と、そして、後、数年で辞めようと思っちゃいるが。

 『社会的弱者』に対する近所や周りの眼なんて恥ずかしいとは思わない。
 ただ、それに甘えるよりは死んだ方がマシ
 野たれ死ぬのも、それも人生。
 ただ『社会的弱者の矜持』だけは持っていたい・・・。


© Rakuten Group, Inc.